老眼コンタクトの値段は?種類別の相場と選び方

「最近、手元の文字が見えづらくなってきた…」「スマホの画面を少し離さないとピントが合わない…」そんな経験はありませんか?もしかしたら、それは多くの方が経験する「老眼」のサインかもしれません。老眼鏡には抵抗があるけれど、見えづらさを放置するのはストレス、と感じる方も少なくないでしょう。
多くの方が、そもそも老眼のコンタクトってありますか?という基本的な疑問をお持ちですが、ご安心ください、もちろんございます。そして次に気になるのが、遠近両用コンタクトの値段はいくらくらいなのか、という現実的なコストの問題でしょう。
この記事では、タイプ別に老眼コンタクトの値段相場を徹底的に比較し、1日使い捨てタイプの値段から2週間交換タイプの値段、さらには老眼コンタクトの値段におけるハードとソフトの根本的な違いまで、専門的な視点から詳しく解説します。また、近視や乱視がある場合の老眼コンタクト値段についても深く掘り下げていきますので、ご自身の状況に合った最適なレンズを見つけ、快適な毎日を取り戻すための一助としてください。
- 老眼用コンタクトの種類別値段相場
- 初めてでも失敗しない選び方のポイント
- 近視や乱視など目の状態に合わせた選択肢
- 購入前に知っておきたいメリットとデメリット
タイプ別!老眼コンタクト値段の相場を比較

- そもそも老眼のコンタクトってありますか?
- 遠近両用コンタクトの値段はいくら?
- 1日使い捨てタイプの値段
- 2週間交換タイプの値段
- 老眼コンタクト値段ハードとソフトの違い
- 近視や乱視がある場合の老眼コンタクト値段
そもそも老眼のコンタクトってありますか?
はい、結論から申し上げますと、老眼の方向けに設計されたコンタクトレンズは確かに存在します。一般的には「遠近両用コンタクトレンズ」や、より専門的には「マルチフォーカルコンタクトレンズ」と呼ばれており、老眼に悩む多くの方がその恩恵を受けています。
老眼(専門用語では老視)とは、病気ではなく、年齢とともに誰にでも起こる目の変化です。目の中にある水晶体というレンズの弾力性が失われ、ピントを調節する毛様体筋という筋肉が衰えることで、特に近くのものにピントが合わせにくくなる状態を指します。遠近両用コンタクトレンズは、この加齢による調節機能の低下を補うために特別に開発されました。
その最大の特徴は、1枚のレンズの中に、遠くを見るための度数と近くを見るための度数が、同心円状など複雑な形で配置されている点です。これにより、視線を動かすだけで、脳が自然と見たい距離の情報を選択し、遠くの景色から手元の読書、スマートフォンの画面まで、ピントをスムーズに合わせることが可能になります。もともと近視や遠視の方が老眼になった場合でも、1枚のレンズで対応できるため、複数のメガネを使い分けるような煩わしさから解放される、非常に画期的なアイテムと言えるでしょう。
「老眼鏡をかけると一気に年を取ったように感じる…」「アクティブな趣味を続けたいのに、手元が見えなくて困る」といったお悩みをお持ちの方にこそ、遠近両用コンタクトレンズは生活の質を向上させるための強力な選択肢になりますよ。
遠近両用コンタクトの値段はいくら?

遠近両用コンタクトレンズの値段は、レンズの交換期間、素材、設計技術など様々な要因によって大きく変動しますが、大まかな費用感を把握しておくことは、製品を選ぶ上で非常に重要です。
まず結論として、1ヶ月あたりのランニングコストは、毎日清潔なレンズを使う1DAYタイプで両目約6,000円から、そしてコストパフォーマンスに優れた2WEEKタイプで両目約2,500円からが一般的な市場価格の相場です。ただし、これはあくまでレンズ本体の価格であり、2WEEKタイプの場合は日々のメンテナンスに必要なケア用品(洗浄・保存液など)の費用が別途発生することを念頭に置く必要があります。
値段の違いを生む専門的な要因
遠近両用コンタクトレンズの価格差は、主に以下の専門的な要因によって決まります。
- 素材の進化:特に、目に多くの酸素を届けることができる「シリコーンハイドロゲル」は、従来の素材よりも目の健康に良いとされ、価格が高くなる傾向があります。目の乾燥感を軽減し、長時間の快適な装用をサポートするための重要な要素です。
- 高度なレンズ設計:各メーカーは独自の光学設計を開発しており、遠くから近くへの度数変化をいかに滑らかにするかで技術力が問われます。また、老眼の進行度合いを示す「加入度数(ADD)」の種類が豊富に用意されている製品も、多様なニーズに応えられる分、価格に反映されることがあります。
- 付加機能の有無:目の健康を保護するための紫外線(UV)カット機能は、今や多くの高性能レンズに搭載されています。また、レンズのうるおいを長時間キープするための保湿成分の配合なども、価格を左右する一因です。
単純に価格の安さだけで選んでしまうと、「目が乾きやすい」「見え方に満足できない」といった結果につながりかねません。ご自身のライフスタイル(装用時間、使用頻度)や、目の健康状態を総合的に考慮し、どの性能を重視するかを眼科医と相談しながら決めることが賢明です。次の項目からは、各タイプごとの具体的な値段をさらに詳しく見ていきましょう。
1日使い捨てタイプの値段

1日使い捨て(1DAY)タイプの遠近両用コンタクトレンズは、1箱30枚入り(片目1ヶ月分)で3,000円前後からが一般的な値段の相場です。両目分を毎日使用する場合、1ヶ月あたり約6,000円からが費用の目安となります。
このタイプの最大のメリットは、毎日新しい滅菌済みのレンズに交換するため、レンズケアが一切不要で極めて衛生的である点に尽きます。仕事で疲れて帰宅した後に洗浄する手間がなく、旅行や出張の際もケア用品を持ち運ぶ必要がないため、荷物を大幅に減らすことができます。また、花粉の季節など、レンズに付着する汚れが気になる方にも安心してお使いいただけます。
一方で、毎日装用する方にとっては、後述する2WEEKタイプと比較して年間のコストが高くなるというデメリットがあります。特に、酸素透過性の高いシリコーンハイドロゲル素材を採用した製品や、最新の保湿技術が用いられた高性能なレンズになると、1箱あたりの価格が4,000円を超えることも珍しくありません。
1DAYタイプの主要製品と価格帯の目安
製品名 | 特徴 | 価格帯(1箱30枚あたり) |
---|---|---|
プロクリアワンデー マルチフォーカル | 比較的リーズナブルな価格帯でありながら、瞳の乾燥を防ぐ保湿成分MPCを配合。コストを抑えつつ快適性を求める方におすすめ。 | 2,000円台~ |
ワンデーアキュビューモイスト マルチフォーカル | 独自の「ラクリオン・テクノロジー」で保湿成分をレンズ内に閉じ込め、一日中快適なつけ心地が持続。長年の実績と信頼性で人気が高い製品。 | 3,000円台~ |
デイリーズトータルワン マルチフォーカル | レンズ中心部と表面の含水率が異なる「水分三層」構造により、高い酸素透過性とレンズ表面の潤滑性を両立。「生感覚レンズ」とも評される高性能レンズ。 | 4,000円台~ |
※価格は購入する店舗やオンラインストア、時期によって変動します。あくまで目安としてご参照ください。
2週間交換タイプの値段

2週間交換(2WEEK)タイプの遠近両用コンタクトレンズは、1箱6枚入り(片目約3ヶ月分)で2,500円前後からが値段の相場です。1ヶ月あたりのレンズ代に換算すると両目で約1,700円からとなり、毎日装用する場合、1DAYタイプに比べてコストパフォーマンスが格段に優れています。
日常的にコンタクトレンズを使用する方にとっては、この経済的なメリットが最大の魅力です。年間で比較すると、1DAYタイプと数万円単位での差がつくこともあります。ただし、このタイプを選択する上で絶対に欠かせないのが、日々の適切なレンズケア(洗浄・すすぎ・消毒・保存)です。このための専用ケア用品(MPS:マルチパーパスソリューションなど)に、月々500円~1,000円程度の費用が別途必要になります。
レンズケアを怠るリスク
2WEEKタイプは最長14日間同じレンズを使い続けるため、適切なケアを怠ると、涙に含まれるタンパク質や脂質、外部からの汚れがレンズに蓄積します。これが原因で、装用感が悪化するだけでなく、アレルギー性結膜炎や角膜感染症といった重篤な眼障害を引き起こすリスクが高まります。特に「アカントアメーバ角膜炎」は失明に至る可能性もある危険な病気です。コンタクトレンズによる目の障害については、厚生労働省も注意喚起を行っており、使用期間の厳守と正しいケアが目の健康を守る上で不可欠です。(出典:厚生労働省「コンタクトレンズの適正使用について」)
2WEEKタイプの主要製品と価格帯の目安
製品名 | 特徴 | 価格帯(1箱6枚あたり) |
---|---|---|
2ウィークピュア マルチステージ | 純国産にこだわり、天然保湿成分「アルギン酸」を配合。UVカット機能も備えながら、コストパフォーマンスに優れる。 | 2,000円台前半~ |
メダリスト マルチフォーカル | ボシュロム独自の「ナチュラサイト・オプティクス」設計により、手元から遠くまで自然で快適な見え方を追求。長年の実績を誇る定番製品。 | 2,000円台後半~ |
エアオプティクス プラス ハイドラグライド マルチフォーカル | 高い酸素透過性を誇るシリコーンハイドロゲル素材に、独自の保湿技術と汚れ付着防止加工をプラス。長時間の装用でも快適性が持続しやすい。 | 3,000円前後~ |
※価格は購入する店舗やオンラインストア、時期によって変動します。あくまで目安としてご参照ください。
老眼コンタクト値段ハードとソフトの違い

老眼用コンタクトレンズには、これまで紹介してきた使い捨てが主流の「ソフトコンタクトレンズ」の他に、長期間にわたって使用する「ハードコンタクトレンズ」という選択肢も存在します。この二つは、値段の体系から特性まで、あらゆる面で大きく異なります。
結論から言うと、購入時の初期費用はハードコンタクトの方が圧倒的に高価ですが、2年以上の長期的な視点で見ると、トータルのコストパフォーマンスではハードコンタクトの方が優れるケースが多く見られます。
ハードコンタクトレンズ
水分を含まない硬い素材でできており、レンズの直径が黒目(角膜)よりも小さいのが特徴です。素材自体が酸素を非常によく通すため、目の健康に良いとされています。光学性に優れており、特にソフトレンズでは矯正が難しい強い乱視でも、レンズと角膜の間の涙がレンズの役割を果たすことで(涙液レンズ効果)、シャープでクリアな視界が得られやすいという大きな利点があります。1枚あたりの値段は15,000円程度からと高価ですが、適切に扱えば寿命が2年~3年と非常に長いため、結果的に経済的になる可能性があります。
ソフトコンタクトレンズ
水分を多く含んだ柔らかい素材でできており、レンズが目にフィットしやすいため、つけ心地が良いのが特徴です。コンタクトレンズが初めての方でも違和感が少なく、慣れやすいとされています。しかし、ハードレンズに比べて耐久性が低く、定期的な交換が必須です。前述の通り、1DAYや2WEEK、1MONTHといった使い捨てタイプが主流となっています。
比較項目 | ハードコンタクト | ソフトコンタクト(使い捨て) |
---|---|---|
初期費用 | 高い(両目で30,000円~) | 安い(1箱2,000円台~) |
長期コスト(2年換算) | 安い(レンズ代+ケア用品代) | 高い(レンズ代の積み重ね) |
つけ心地 | 慣れるまで異物感あり | 非常に良い |
見え方の質 | 非常にクリア(特に乱視矯正に優れる) | クリア(製品による) |
耐久性・寿命 | 高い(約2~3年) | 低い(1日~1ヶ月で交換) |
紛失・破損リスク | 小さい為、紛失しやすい。割れることがある。 | 破れやすいが、予備があり安心。 |
近視や乱視がある場合の老眼コンタクト値段

もともと近視や遠視に加えて、物が二重に見えたり、輪郭がぼやけたりする「乱視」をお持ちの方が老眼になった場合、「乱視用」の遠近両用コンタクトレンズ、専門的には「マルチフォーカル トーリックレンズ」と呼ばれる特殊なレンズが必要になります。
乱視は、角膜や水晶体がきれいな球形ではなく、ラグビーボールのように歪んでいるために生じます。乱視用のコンタactレンズは、この歪みを打ち消すための円柱度数(CYL)と軸(AXIS)というデータに基づき、レンズの厚みやカーブが非対称に作られています。さらに、まばたきをしてもレンズが正しい位置で安定するように、回転を防ぐための特別な設計(プリズムバラストデザインなど)が施されています。
このような複雑な構造と製造工程のため、販売価格も通常の遠近両用レンズと比較して、1箱あたり500円~1,500円ほど高価になるのが一般的です。
選択肢の制限と自己判断の危険性
すべてのメーカーが乱視用の遠近両用タイプを製造しているわけではなく、特に使い捨てタイプでは製品の選択肢が限られてしまうのが現状です。また、乱視の度合いや軸の方向によっては、既製品では対応できず、特注となる場合もあります。
「少しの乱視だから、普通の遠近両用でも大丈夫だろう」といった自己判断は絶対に避けるべきです。見え方が安定しないだけでなく、脳が無理にピントを合わせようとすることで、深刻な眼精疲労や頭痛の原因にもなりかねません。乱視がある方は、必ず眼科医による精密な検査を受け、ご自身の目に正確に適合するレンズを処方してもらうことが、快適な視界と目の健康を守る上で最も重要です。
老眼コンタクト値段以外の重要な選び方

- 老眼コンタクトを初めて使う際の注意点
- 遠近両用・老眼コンタクトのデメリット
- 老眼コンタクトはどこで買う?眼科の値段は?
- 人気製品と体験談からわかる評判
- 老眼コンタクトは何歳まで?月々の費用
- まとめ:自分に合う老眼コンタクトの値段
老眼コンタクトを初めて使う際の注意点
老眼をきっかけにコンタクトレンズデビューを考えている方、あるいは長年使ってきた単焦点レンズから初めて遠近両用タイプへ切り替える方にとって、知っておくべき重要な注意点がいくつかあります。
その中でも最も重要で、絶対に守らなければならないのが、必ず眼科医療機関を受診し、専門医による検査と処方(指示書)を受けることです。コンタクトレンズは、単に視力(PWR)を合わせるだけのものではありません。目の表面のカーブ(BC)や直径(DIA)、涙の分泌量、アレルギーの有無、目の病気の有無などを総合的に検査し、医学的な判断に基づいて初めて安全に使用できるのです。
コンタクトレンズは「高度管理医療機器」
コンタクトレンズは、心臓のペースメーカーや人工呼吸器などと同じ「高度管理医療機器」に分類されています。これは、不適切な使用が人体に重大な影響を及ぼすリスクがあることを意味します。自己判断での購入や、友人間の貸し借りなどは、角膜潰瘍や失明といった取り返しのつかない事態につながる可能性があり、絶対にやめなければなりません。日本コンタクトレンズ協会も、購入前の眼科受診を強く推奨しています。(出典:日本コンタクトレンズ協会「コンタクトレンズ購入までのステップ」)
初めての方向けの具体的なステップ
- 眼科を受診する:まずは専門医に目の状態を詳細に診てもらい、コンタクトレンズの使用が可能か、またどのようなタイプのレンズが適しているかを判断してもらいます。
- レンズのトライアル:多くの眼科では、検査用のトライアルレンズをその場で装用させてくれます。遠近両用レンズ特有の見え方やつけ心地を実際に体験し、自分に合うかどうかを確認する非常に重要なステップです。
- 段階的に慣らす:処方されたレンズは、初日から長時間装用するのではなく、初日は1~2時間、翌日は3~4時間というように、徐々に装用時間を延ばしていくのが基本です。脳が見え方に慣れるまでには少し時間が必要です。焦りは禁物です。
- できるだけ連続して装用する:脳の順応を促すため、慣れるまでの期間は、できるだけ毎日連続して装用することが推奨されます。一日おきに使うなど間隔が空いてしまうと、脳が順応しにくくなる場合があります。
装用中に痛みや強い充血、異物感が続く場合は、無理せずレンズを外し、症状が改善しない場合は速やかに処方を受けた眼科医に相談してください。
遠近両用・老眼コンタクトのデメリット

遠近両用コンタクトレンズは、老眼による不便さを解消してくれる非常に便利なツールですが、その特殊な光学設計ゆえのデメリットや、人によってはなじみにくいと感じる点も存在します。
購入後に「こんなはずではなかった」と後悔しないためにも、ポジティブな面だけでなく、これらのネガティブな側面もあらかじめ正確に理解しておくことが極めて重要です。
購入前に理解しておくべき主なデメリット
- 見え方の質の特性:1枚のレンズに遠・中・近の複数の度数が混在しているため、遠くだけ、あるいは近くだけにピントを最適化した単焦点レンズと比較すると、それぞれの見え方のシャープさや鮮明さ(コントラスト感度)が若干低下する傾向があります。「完璧にハッキリ見える」というよりは、「日常生活に支障がない程度に、まあまあ見える」という感覚になることが多いです。特に、説明書のような極端に小さい文字は、老眼鏡ほどハッキリとは見えない場合があります。
- 脳の適応(慣れ)が必要:私たちの脳は通常、一つの距離にピントが合った鮮明な像を処理することに慣れています。しかし遠近両用レンズでは、複数の距離の像が同時に網膜に映し出されるため、使い始めは脳がその情報を処理しきれず、視界がぼやけたり、物が二重に見える「ゴースト」現象を感じたり、ピントが合うまでに時間がかかったりする違和感を覚えることがあります。この適応期間には個人差があり、数日で慣れる方もいれば、数週間かかる方もいます。
- 暗い場所での見えにくさ(ハロー・グレア):夜間や薄暗い場所では、より多くの光を取り込もうと瞳孔が自然に大きくなります。すると、レンズの近用部分と遠用部分の両方から光が入ってくるため、対向車のヘッドライトや街灯などの光がにじんで見えたり(ハロー)、まぶしく感じたり(グレア)することがあります。特に夜間の運転には慎重さが求められます。
これらのデメリットは、近年のレンズ技術の進歩によって大幅に改善されつつあります。しかし、ゼロになるわけではありません。まずは眼科でテストレンズを試してみて、ご自身のライフスタイルの中でこれらのデメリットがどの程度許容できるかを確認するのが、失敗しないための最も確実な方法です。
老眼コンタクトはどこで買う?眼科の値段は?

眼科でご自身に最適なコンタクトレンズの処方箋(指示書)を受け取った後、実際に製品を購入する場所は、主に「眼科併設の販売店やコンタactレンズ専門店」か、あるいは「インターネット通販」の二つに大別されます。
眼科併設店やコンタクトレンズ専門店
最大のメリットは、専門知識を持ったスタッフに直接相談しながら、安心して購入できる点です。レンズの種類やケア方法について疑問があればその場で解決できますし、多くの店舗では在庫があれば即日受け取ることが可能です。フィッティングの最終確認や、万が一トラブルが起きた際の相談がしやすいという安心感は、何物にも代えがたい利点と言えるでしょう。
一方のデメリットは、人件費や店舗維持費がかかるため、後述するインターネット通販に比べて価格がやや高めに設定されている傾向がある点です。
インターネット通販
最大のメリットは、なんといってもその価格の安さです。実店舗を持たない分、運営コストを抑えることができ、それが製品価格に反映されています。定期購入サービスなどを利用すれば、さらに割引が適用されることもあります。また、24時間いつでも注文でき、自宅まで届けてくれる利便性も大きな魅力です。
一方のデメリットは、処方箋に記載されたデータを基に、すべて自己責任で購入手続きを行う必要がある点です。もしデータを入力ミスしても誰も指摘してくれません。また、トラブル発生時も直接的なサポートは受けにくく、国内正規品と称していても品質が保証されないケースも稀に存在するため、信頼できるショップを選ぶ慎重さが求められます。
眼科での検査・処方費用について
コンタクトレンズの処方を受けるための眼科での検査費用は、健康保険が適用されます。一般的な3割負担の場合、初診であれば初診料や各種検査料を含めて3,000円~4,000円程度、同じ眼科での再診であれば1,000円~2,000円程度が費用の目安となります。ただし、これはあくまで一般的な目安であり、実施される検査内容(アレルギー検査など)によって金額は変動します。
初めて遠近両用コンタクトを使用する場合は、安心感を優先して専門店での購入をおすすめします。そして、レンズに慣れ、定期検診もきちんと受けている状態であれば、コストを重視して信頼できるインターネット通販を利用する、というように段階的に移行するのも賢い選択です。
人気製品と体験談からわかる評判

遠近両用コンタクトレンズは国内外の主要メーカーから多種多様な製品が販売されており、それぞれが独自の技術と特徴を競っています。ここでは特に市場での人気が高く、実際の利用者からの評判も良好とされる代表的な製品を、その技術的背景と共にいくつか紹介します。
デイリーズ トータルワン マルチフォーカル(アルコン)
「生感覚レンズ」のキャッチフレーズで知られるシリーズの遠近両用タイプです。アルコン独自の「ウォーター グラディエント テクノロジー」により、レンズ中心部の含水率を低く保ち高い酸素透過性を確保しつつ、レンズ表面の含水率をほぼ100%に近づけています。これにより、非常に滑らかなつけ心地と長時間の潤いが実現されています。利用者からは「一日中装用しても目の乾きを感じにくい」「まるで何もつけていないかのように快適」といった、装用感に関する絶賛の声が多く聞かれます。(参照:アルコン公式サイト)
ワンデーアキュビューモイスト マルチフォーカル(ジョンソン・エンド・ジョンソン)
コンタクトレンズ市場で長年の実績を誇る「アキュビュー」シリーズの製品です。レンズ素材に保湿成分を閉じ込める独自の「ラクリオン・テクノロジー」を採用し、朝から夜まで快適なうるおいが持続するとされています。また、年齢による瞳孔の大きさの変化に対応した光学設計も特徴で、「見え方が自然で、遠近両用が初めてでもスムーズに慣れることができた」という評判が目立ちます。(参照:アキュビュー公式サイト)
プロクリアワンデー マルチフォーカル(クーパービジョン)
比較的リーズナブルな価格設定でありながら、高い性能を持つことで人気の製品です。人の細胞膜をモデルに開発された保湿成分「MPC」を素材に配合しており、レンズが水分を引きつけてキープするため、乾燥しにくいのが特徴です。「コストパフォーマンスが非常に高い」「長時間PC作業をしても目が疲れにくい」といった、価格と性能のバランスを高く評価する声が多く寄せられています。(参照:クーパービジョン公式サイト)
ここで紹介した評判は、あくまで多くの利用者の感想をまとめたものです。コンタクトレンズとの相性は、目の形状や涙の質、ライフスタイルなどによって大きく異なるため、個人差が必ず存在します。気になる製品が見つかったら、その評判を鵜呑みにするのではなく、まずは眼科でトライアルレンズを処方してもらい、ご自身の目でつけ心地や見え方を客観的に評価することが、失敗しないための最も確実で賢明な方法です。
老眼コンタクトは何歳まで?月々の費用

「コンタクトレンズは何歳まで使えるのだろう?」という疑問は、特にこれから長く付き合っていくことを考える方にとっては当然のものです。結論から言うと、コンタクトレンズの使用に医学的に明確な年齢の上限は定められていません。実際に70代や80代の方でも、快適にコンタクトレンズライフを送っている方はたくさんいらっしゃいます。ただし、使用を安全に継続できるかどうかは、暦年齢そのものよりも、目の健康状態に大きく左右されます。
何歳まで安全に使えるか
加齢に伴い、私たちの目には様々な変化が生じます。代表的なものとして、涙の分泌量が減少して目が乾きやすくなる「ドライアイ」や、角膜の透明性を維持する「角膜内皮細胞」の減少が挙げられます。この角膜内皮細胞は一度減少すると再生することがなく、一定数を下回るとコンタクトレンズの装用が困難になったり、将来的に白内障などの目の手術が受けられなくなったりする可能性があります。
だからこそ、自覚症状がなくても定期的に眼科を受診し、専門医に目の健康状態を精密にチェックしてもらうことが不可欠なのです。医師は、これらの加齢による変化を考慮した上で、コンタクトレンズの使用継続の可否を判断します。
月々の費用シミュレーション(長期視点を含む)
毎日コンタクトレンズを使用した場合の、1ヶ月あたりの費用目安は以下の通りです。長期的な視点での比較のため、ハードコンタクトの費用も加えてみましょう。
タイプ | レンズ代(両目/月) | ケア用品代(月) | 合計(月) | 年間コスト目安 |
---|---|---|---|---|
1DAYタイプ | 約6,000円~ | 不要 | 約6,000円~ | 約72,000円~ |
2WEEKタイプ | 約1,700円~ | 約500円~1,000円 | 約2,200円~ | 約26,400円~ |
ハードコンタクト | 約1,250円~※ | 約500円~1,000円 | 約1,750円~ | 約21,000円~ |
※ハードコンタクトのレンズ代は、初期費用30,000円を寿命2年(24ヶ月)で割った場合の月額換算です。
このように、使い方や選択するタイプによって月々の費用、そして年間の総費用は大きく変わってきます。ご自身のライフスタイル、ケアの手間、そして予算を総合的に勘案して、最も納得のいくタイプを選択することが重要です。
まとめ:自分に合う老眼コンタクトの値段

この記事では、老眼用コンタクトレンズの値段相場から、専門的な選び方、そして使用上の注意点まで、幅広く掘り下げて解説しました。値段は重要な選択基準の一つですが、それ以上に大切なのは、ご自身のライフスタイルや目の健康状態に合った、最適な一枚を見つけることです。最後に、この記事の重要なポイントを改めてまとめます。
- 老眼に対応した遠近両用コンタクトレンズがある
- 値段はレンズのタイプや素材、設計技術によって大きく異なる
- 1DAYタイプは衛生的で手間いらずだがコストは高め
- 2WEEKタイプは日々のケアが必要だがコストパフォーマンスに優れる
- 1DAYの値段相場は1ヶ月あたり両目で約6,000円から
- 2WEEKの値段相場はケア用品を含め1ヶ月約2,200円から
- 2年以上の長期利用ならハードコンタクトも経済的な選択肢となり得る
- 近視だけでなく、物が歪んで見える乱視に対応した製品も存在する
- 乱視用は構造が複雑なため通常の製品よりやや高価になる傾向がある
- 購入前には必ず眼科を受診し専門医による処方を受けることが絶対条件
- 初めての使用は短い時間から始め、脳と目が慣れる時間を作ることが大切
- 見え方の質が単焦点レンズより若干劣るなどのデメリットも理解しておく
- 購入場所は安心感の専門店か、価格の安さが魅力のネット通販が主流
- コンタクト使用に年齢の上限はなく、定期的な眼科検診による健康管理が鍵
- 最終的には値段と性能、快適性のバランスを考え、自分にとって最適なレンズを見つけることが最も重要