老眼と近視の違いを教えてください
私たちが物を見る時には、見ている物の距離によって
毛様体筋という筋肉が、水晶体(レンズの役割)の厚みを変えながら
網膜上(フィルムの役割)に、きちんとピントを合わせて見ているんですね。
では、老眼と近視はどのような違いがあるのでしょうか。
★老眼とは老化現象の一つで、近くが見えにくくなる症状です。
若い時には、近くを見るのに
毛様体筋に力を入れて、水晶体をスムーズに厚くし
自然に網膜上にピントを合わせることができます。
ところが加齢によって
水晶体の弾力性がなくなり、毛様体筋の柔軟性も衰えるために
近くを見たくても、水晶体を厚くすることができなくなります。
そのため、網膜の後ろでピントが合ってしまい
見えにくくなるんですね
★一方近視とは、遠くが見えにくくなる症状で二つの原因からなります。
一つ目は、読書やパソコン、ゲームなどの生活習慣が主な原因で
近くを見続けた結果、毛様体筋が緊張した状態で固定し
水晶体が厚いため、網膜の手前でピントが合ってしまいます。
これを「屈折性近視」といって、近視の多くがこのケースです。
もう一つは、眼軸(角膜から網膜までの目の奥行き)が
正常より長すぎて、網膜の手前でピントが合ってしまうケースを
「軸性近視」といいます。
以上のことから
・老眼と近視の原因の違いは
老眼は老化現象による「調節異常」で
近視は主に光の「屈折異常」となります。
・老眼と近視の見え方の違いは
老眼は遠くは見えやすく、近くが見えにくい
近視は近くは見えやすく、遠くがぼやけて見えにくい
・老眼と近視のピントの合う位置の違いは
老眼は網膜より後ろで、
近視は網膜より手前でピントが合ってしまいます。
このように、老眼と近視は大きく違いますが
それぞれの症状が、これ以上進むことがないよう
意識して目を鍛えていきましょう。